「みかづき」

  • Day:2017.06.07 17:48
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最近読んで面白かった本。

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「みかづき」森絵都 集英社

本屋大賞2位だった作品。
学校教育に不信感を持った、ある強烈キャラの女性が塾を立ち上げていく物語。
夫、母親、娘や孫も巻き込んでの一大事業となるその塾の成長と激しい家族模様が描かれています。
もともと補習塾の要素を持って始めるのですが、時代の成長と受験戦争の流れと家族の争いも経て、進学塾へと変貌していきます。でも、塾のあり方に対して夫婦の意見が違うことで、別居、親子断絶、裏切りなど様々なドラマが繰り広げられます。そもそも学校教育に不信感を持ち理想を掲げて始めた塾だけど、理想の教育って。。。と本の登場人物とともに考えさせられる作品です。

私自身も、そして私の娘も塾に通っていた(る)けど、
確かに塾ってどういう存在なんだろう。
私は受験をするため、親に言われるまま、なんの疑問も持たずに通っていましたが、
娘は補習→受験→補習と通塾する目的を変えて、
そしてそれに伴い塾も変えて通っております。
いざ自分が親になってみると通塾には悩みがつきもの。
勉強ができるから幸せになれるわけではない、という理念は持ってはいるが、
かといってなあという、
なんとなく安心のために通わせているけどどうなんだろう。
最近通い始めた塾の塾長さんは、娘が将来どうなりたいのか、それには今どうしたらいいのかと
娘と話し合い、その上で「娘さんはこういう子だからこういう対応をしたほうがいい」と
親の悩みにも答えてくれました。こうなるともう学校レベルです。
教育って?学校って?塾って?と娘の中間テストの成績とともに悩みを深めるのでした。

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ロスジェネの逆襲

  • Day:2016.09.15 21:28
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随分前によんだ本ですが、最近気になって再読しました。


「ロスジェネの逆襲」池井戸潤 ダイヤモンド社

なぜか、2回目に読んだ時のほうが、とても面白く読めました。
今、気持ちが、か・な・りの仕事モードだからでしょうか、登場人物のいろんな言葉が心に残りました。
以下、本文より気になった言葉を抜粋。

「仕事の質は人生そのものの質に直結しますから」

「どんな小さな会社でも、あるいは自営業みたいな仕事であっても、自分の仕事にプライドを持っいるかどうかが重要なことだと思うんだ。結局のところ、好きな仕事に誇りを持ってやっていられれば、オレは幸せだと思う」

「世の中を儚み、文句をいったり腐してみたりするー。でもそんなことは誰にだってできる。お前は知らないかもしれないが、いつの世にも、世の中に文句ばっかりいってる奴は大勢いるんだ。だけど、果たしてそれになんの意味がある。たとえばお前たちが虐げられた世代なら、どうすればそういう世代が二度と出てこないようになるのか、その答えを探すべきなんじゃないか。(略) 批判はもう十分だ。お前たちのビジョンを示してほしい」

「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る。わかるか?」


・・・アツい!

そう、アツいんです。でも、納得するんです。
頭の中が仕事モードの私にはとても響きました。

襟を正して、仕事頑張ろ!

「羊と鋼の森」

  • Day:2016.05.16 16:15
  • Cat:
本屋大賞2016の第1位を獲得した本です。



「羊と鋼の森」宮下奈都著 文芸春秋

宮下奈都さんの本は「田舎の紳士服店のモデルの妻」から始まり、何冊か読んでおります。
上記ブログにも書きましたが、描写がとても繊細なお方なイメージです。

「羊と鋼の森」は、
一人の青年が、ピアノの調律に魅せられ、
調律師として成長していく、というお話。

と聞くと、「調律師」というのは珍しいけど、
話としては、なんかじみーな感じがしますよね。
でも、なぜか読ませるんですよー。
物語は静かに、真面目に、丁寧に、普段の我々の生活のすぐそこであるかのことのように
進んでいきます。

「なぜか読ませる」というのが、この著者の魅力なのではないでしょうか。
ふと、調律を何年もしていない実家にあるピアノを思い出しました。
万が一調律する機会があったら、調律作業を影から覗いてみたいです。


「孤宿の人」上下巻

  • Day:2016.02.23 09:47
  • Cat:
久しぶりに、本を読んで泣いてしまいました。

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「孤宿の人」上下巻 宮部みゆき著 新潮文庫

3年くらい前に母からもらった本だったのですが、
その時はぱらっと読んで「あまり面白くなさそうだな。」と本棚に置きっぱなしにしてました。
しかし、最近ひさしぶりにちょっと読んでみたら、とまらず一気読みしてしまいました。
(年齢とともに好みも変わるのですね)
裏表紙に「感涙の傑作。」と書いてあるのですが、あまりあてにせず
「どうせ泣くことはないだろう」とタカをくくっていましたが、
最後の方の1文をきっかけに涙が止まらなくなってしまいました。

この本は、四国にある小さい藩が舞台の時代小説です。
お家騒動とか色んな事件が起こるのですが、それは伏線で、
身寄りのない純粋無垢な少女と、流人であり幽閉されている元役人との
やりとりがこの小説の大事なところではないかと感じました。
細かいところまで丁寧にかかれていて、プロの作家さんって本当にすごいなあと
改めて思いました。
でも、本を読んで泣くとすっきりしますね。
読んだ人全員のツボを押さえるかは不明ですが、ぜひ一度読んでいただきたい本です。

「ラオスにいったい何があるというんですか?」

  • Day:2015.12.23 21:15
  • Cat:
ハルキストではないのですが、タイトルにひかれて買いました。

らおす
「ラオスにいったい何があるというんですか?」
村上春樹著 文藝春秋発行

なぜひかれたかというと、私もラオスに行ったことがあるからです。
それも家族で2年前くらいに。
周りに「ラオスに行く」といった時、まさにこの本のタイトルにあるような疑問をなげかけられました。
「何があるの?」
私は、仲良し編集者のNさんにその魅力を聞いたので「行ってみたい」と思ったのですが
知らない人は「は?」「なんで?」「どこにあるの?」と、まあ思うでしょうね。

何があるのかは読んでみて欲しいのですが(思わせぶりですが、説明するのをただ省いただけ)
当時9歳と4歳の娘含め全員ラオスが気に入って帰って来ました。

ひとつとても印象的だったのは、本書にも書かれていますが、早朝行われる托鉢という儀式です。
道路にひざまずいてオレンジの袈裟を着た僧侶(百人以上です)がくるのを待ち、
僧侶が来たら持っているツボのようなものに食べ物を入れるのです(とにかく忙しい)。
街に住んでいる人は毎日その儀式を行っています。
その光景はとても荘厳でラオスに行ったらぜひ体験して欲しいです。
西洋人は宗教上の理由かなぜかやる人が少なかったのですが、我々家族は物は試しとその儀式に参加してみました。
余談ですが、”アジア人の家族がひざまずいて托鉢する”光景はなんかよかったらしく、とにかくたくさんの西洋人に囲まれて写真を撮られました。

と、本の話ではなくラオスの話に終始してしまいました。
ラオス以外にもアメリカ、ギリシャ、イタリア、フィンランド、熊本
が収録されております。