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「孤宿の人」上下巻

  • Day:2016.02.23 09:47
  • Cat:
久しぶりに、本を読んで泣いてしまいました。

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「孤宿の人」上下巻 宮部みゆき著 新潮文庫

3年くらい前に母からもらった本だったのですが、
その時はぱらっと読んで「あまり面白くなさそうだな。」と本棚に置きっぱなしにしてました。
しかし、最近ひさしぶりにちょっと読んでみたら、とまらず一気読みしてしまいました。
(年齢とともに好みも変わるのですね)
裏表紙に「感涙の傑作。」と書いてあるのですが、あまりあてにせず
「どうせ泣くことはないだろう」とタカをくくっていましたが、
最後の方の1文をきっかけに涙が止まらなくなってしまいました。

この本は、四国にある小さい藩が舞台の時代小説です。
お家騒動とか色んな事件が起こるのですが、それは伏線で、
身寄りのない純粋無垢な少女と、流人であり幽閉されている元役人との
やりとりがこの小説の大事なところではないかと感じました。
細かいところまで丁寧にかかれていて、プロの作家さんって本当にすごいなあと
改めて思いました。
でも、本を読んで泣くとすっきりしますね。
読んだ人全員のツボを押さえるかは不明ですが、ぜひ一度読んでいただきたい本です。

「ラオスにいったい何があるというんですか?」

  • Day:2015.12.23 21:15
  • Cat:
ハルキストではないのですが、タイトルにひかれて買いました。

らおす
「ラオスにいったい何があるというんですか?」
村上春樹著 文藝春秋発行

なぜひかれたかというと、私もラオスに行ったことがあるからです。
それも家族で2年前くらいに。
周りに「ラオスに行く」といった時、まさにこの本のタイトルにあるような疑問をなげかけられました。
「何があるの?」
私は、仲良し編集者のNさんにその魅力を聞いたので「行ってみたい」と思ったのですが
知らない人は「は?」「なんで?」「どこにあるの?」と、まあ思うでしょうね。

何があるのかは読んでみて欲しいのですが(思わせぶりですが、説明するのをただ省いただけ)
当時9歳と4歳の娘含め全員ラオスが気に入って帰って来ました。

ひとつとても印象的だったのは、本書にも書かれていますが、早朝行われる托鉢という儀式です。
道路にひざまずいてオレンジの袈裟を着た僧侶(百人以上です)がくるのを待ち、
僧侶が来たら持っているツボのようなものに食べ物を入れるのです(とにかく忙しい)。
街に住んでいる人は毎日その儀式を行っています。
その光景はとても荘厳でラオスに行ったらぜひ体験して欲しいです。
西洋人は宗教上の理由かなぜかやる人が少なかったのですが、我々家族は物は試しとその儀式に参加してみました。
余談ですが、”アジア人の家族がひざまずいて托鉢する”光景はなんかよかったらしく、とにかくたくさんの西洋人に囲まれて写真を撮られました。

と、本の話ではなくラオスの話に終始してしまいました。
ラオス以外にもアメリカ、ギリシャ、イタリア、フィンランド、熊本
が収録されております。

「徳川将軍家の演出力」

  • Day:2015.09.28 14:24
  • Cat:
家の本棚を見ていたらなんとも渋いタイトルの本を発見しました。

徳川将軍家
「徳川将軍家の演出力」新潮社発行

この辺の時代に興味津々な今日この頃ですので早速読んでみました。
一般人の私にはあまり参考にならないのですが、
自分を神格化したい教祖的な人には参考になるのかな。って怪しいな。。
今の時代にこんなことしたら逆に異常だと思われのでしょうね。

なんて言ったって、大名が将軍に会う時のお辞儀の稽古だけで数日もかかるし、
顔は直接見ちゃいけないし、もちろん話すこともままならないのです。
どんなに偉くても将軍に会えるかどうかは区別されるので、
否応なく自分の立ち位置がわかってしまいます。

庶民たちにとってみると将軍は会うことも見ることもできないので、ミステリアスな存在となり
でも絶対見せないのかと思うと、たまーーーーにほんのちょっとだけ姿を見せてあげたりして
それがいいようで、なんとも演出上手!

そして大名のランク付けもすごいです。
大名行列の際、沿道の人たちは御三家(尾張、紀州、水戸)に対しては
土下座をしなければいけませんでしたが、それ以外は大名といえども土下座はしなくてよいそうです。
あの加賀百万石の前田家にもですよ。すごい差別です。

大名同士のプライドのぶつかり合いも激しかったようで、将軍への献上品には相当気合を入れ、
献上品を用意するのに死者が出たりしたこともあったようです。
例えば初物の鱈を手に入れるため危険をおかすとか(越前松平家)。
かといって幕府では、こうして集まった献上品を「結構な品」「迷惑な品」と分けていたようで
苦労をかけたからよいというわけではなかったそうです。

この「ランク付け」と「区別」、現代にも通じる気もしますが
歴史を紐解いていくと奥深い理由があるのかもしれないなと思いました。

三浦綾子を読む

  • Day:2015.08.06 11:58
  • Cat:
旧東海道歩きを始めてからというもの、歴史に興味が湧き小説もたくさん読んでおります。
今回は、三浦綾子氏の歴史小説を続けて読みました。

ガラシャ上ガラシャ下
「細川ガラシャ夫人」上下巻 新潮文庫

千利休上千利休下
「千利休とその妻たち」上下巻 新潮文庫

いずれも「戦国時代」と「キリスト教」というのが大きな柱となっている小説ですが、スラスラ読めます。

細川ガラシャ(クリスチャンネーム。本名は玉子)は明智光秀の娘であり細川忠興の妻。
とてつもない美人だったとご存知の方も多いのではないでしょうか。
細川ガラシャの話なので、私たちが通常知っている歴史(明智光秀の描かれ方など)とは別の視点で書かれております。
誰がどの視点で書くかで人の印象は変わるもので、この小説を読んだ後は
明智光秀はとても立派な人物で、本能寺の変もまあしょうがないと思ってしまうほど。単純。
人の噂話や周りの情報にも同じ事が言えますが、やっぱり自分で調べたり会う事って大事だなあとひしひしと感じました。
特に私たちのような仕事は。
と、全体的に小説の感想でなく関係ない話ばかりですみません。

「千利休・・・」についてですが、千利休は茶人としてはもちろん有名ですが、
実は武将以上に権力を持っていたそうです。
昔の武将は茶道を嗜んでおり、師である千利休の地位は自ずと高くなります。
かといってフィクサーのように描かれているわけではなく、
茶人としてどう生きるか葛藤する姿という方が大きいでしょうか。

私は茶道を10年以上習っていたので、ほんの少しお茶の世界をかじっておりますが、
道具の扱い方ひとつとっても、冬には暖かさを夏には涼しさを感じてもらえるようにと
たくさんの心遣いがあり、皆が気持ち良く居られる空間だった気がします。
戦国時代にあってこういう空間はとても大事だったのではないかと想像しました。
また、茶席に刀を持ちこんで欲しくない、茶の世界においては皆平等であるということから、
間口の狭い入り口を作るなど(屈んでにじらないと入れない。)、様々な工夫をしており、
私たちが何気なくやっていた作法もたくさんの苦悩と試行錯誤から生まれたんだと改めて思いました。
茶の世界の話だけでなく、愛あり、友情あり、裏切りありとドラマチックな内容ですのでぜひご一読を。

読後、同時代の小説が読みたくなり、城山三郎の「黄金の日日」を購入しました。
なんかシブい感じになっています。

最近読んだ本

  • Day:2015.07.09 10:26
  • Cat:
悩んでいる時や心がもやもやしている時、
本屋さんに行って「どの本を読もうかなー」とじっくり考えているとなんだか落ち着いてきます。

先日開催されたブックフェアで養老孟司さんの講演を聞きましたが、
「ベースが豊かになることが大事」というような事をおっしゃっていました。
当たり前のことですが、ベース=自分自信が豊かでなければいい仕事はできないですよね。
私にとってベースを豊かにするのは山に行ったり人と話す事もそうですが、読書も必ず入るなと思いました。
ちなみに養老孟司さんの講演についてはこちらのサイトにて触れられていました。
私にとっては難解な話で、講演の内容について解釈が欲しかったので読んで納得といった感じです。

と前置きが長くなりましたが最近読んだ本です。

一路上_convert_20150709092936
一路下_convert_20150709093022
「一路」上下 浅田次郎著 中央公論社

東海道を歩くようになってから歴史小説のファンになってますが、
「一路」は中山道をいく参勤交代にまつわるお話。
小説自体は人情あり、恋愛あり、ユーモアありでもちろん面白いのですが、
それよりも、江戸時代って「家」とか「格」とか「主」とかがめちゃくちゃ
大事だったんだなーと改めて思いました。
学歴や家柄、職業とかを気にする現在の社会というのはそういうことかと勝手に解釈してみました。
ドラマにしたら面白そう、と思ったらなんとBSで今月から放映されるみたいです。
現在我が家のBSは受信状態悪くて見られないので直さないと。

お次はこちら

お日柄もよく_convert_20150709093202
「本日は、お日柄もよく」
原田マハ著 徳間文庫

本の裏表紙に
「結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。」
「目頭が熱くなるお仕事小説。」
などなど書かれていたので思わず買ってしまいました。
結婚式のシーンから始まるのですが、
誰もが経験ある(?)お偉いさんのつまらないスピーチから始まります。
ここで「そうそう。」と共感し、続いてその伝説のスピーチライターの「感動する衝撃的なスピーチ」
が始まり、その違いに「おー」となるのです。
そしてこのOLだった主人公はその伝説のスピーチライターに弟子入りしスピーチライターとして成長、
果ては政治家(幼馴染なんですけどね)のスピーチライターになり、人々の心を打つという話。
そのスピーチが本当に衝撃的なのか、そんな設定ありえない、政治が絡んでるなど賛否両論あると思いますが、
「誰かに何かを伝えるということの基本」ってそういうことだよね、と共感しました。

そして今は
三浦綾子さんの「細川ガラシャ夫人」を読書中。
またもや歴史小説にもどっております。